マーケティングミックスを考えるー4Pとは

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内部環境分析、外部環境分析を行ってSWOT分析を行った後、STP分析によってターゲットを設定しユーザーの頭の中にどのように位置づけてほしいのかというポジションも定めました。この先はマーケティングミックスを決定していきます。マーケティングミックスとは、マーケティング戦略において望ましい反応を市場から引き出すためにマーケティング・ツールを組み合わせることです。なお、ここまでの全体の戦略立案の流れは「マーケティング戦略の立て方」にてご確認ください。

マーケティングの4P

まずはマーケティングの4Pとは何かです。4Pとは、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通チャネル)、Promotion(プロモーション)のことを言います。それぞれの頭文字がPであることから「マーケティングの4P」と呼ばれます。

なぜこの段階でこれらを考えるのか、という点に違和感を覚える方も多いと思います。特に「製品」に関してこの段階で考えるのはおかしいのでは?という気持ちもわからなくはありません。しかし、これこそがマーケティングという考え方なのです。ターゲットユーザーを決定し、その後それらのユーザー達が欲しいと感じる製品を検討する、というのがマーケティングの世界では正しい流れなのです。違和感を覚えた方は、まず製品ありき、というその考え方を修正する必要があります。
では、4つのPのそれぞれを見ていきましょう。

Product(製品)

まず、Product(製品)ですが、言うまでもなく自社が生産したり提供したりする製品やサービスのことです。検討する内容としては、ターゲットが求めている品質、デザイン、パッケージ、ブランド、アフターサービスなども含みます。

私が最近注目しているビール系の飲料の例を見てみましょう。最近はビールも様々なタイプのものが出ていますが、アサヒビールから出た「スーパードライ ドライクリスタル」は、通常のビールなら5.5%程度であるアルコール分が、やや低い3.5%である「スーパードライ」です。通常の「スーパードライ」よりも発酵度を上げることで、透明感のある味わいと本格的な飲みごたえを実現したということです。では、これはどのようなターゲットに向けて開発された「製品」なのでしょうか。

特に最近、若者のアルコール離れが言われていますが、その理由として酔い過ぎたくない、というものがあるようです。お酒は飲みたいけど、酔うと他のことができなくなるのが嫌なので飲まない、というのが理由です。酔っ払いすぎるとSNSのチェックができなくなるのが嫌と聞いたことがあります。そういう人たちにもスーパードライを飲んでもらいたい、という考え方が基本にありそうです。
つまり、あまり酔い過ぎたくないがビールは好き、という人をターゲットに開発したものと考えられるのです。こう考えると、ターゲティング→製品という流れが理解できるのではないでしょうか。
このターゲットに合わせた「製品」戦略の例は、「ライザップのマーケティング戦略に学ぶ」でもご紹介していますので、ご一読頂ければと思います。

Price(価格)

Price(価格)は、言うまでもなく製品やサービスの価格、料金のことです。価格は適正な利益を確保できるよう自社の意向通りに設定できることが望ましいですが、他にも自社のシェアや競合他社との競争力などといった要因から、より適正とされる価格に決定される場合もあります。

個々の解説は省きますが、戦略的な価格設定には、1.プレミアム戦略2.高価格戦略3.スーパーバリュー戦略4.オーバーチャージング戦略5.中価格戦略6.グッドバリュー戦略7.ぼろ儲け戦略8.偽の経済性戦略9.エコノミー戦略と言ったものがあります。これらは価格の設定方法によって、本来の実質的な製品の価値にプラスアルファの意味を持たせるものと言えます。
例えば、ハイブランド品が意図的に高すぎる価格を付けることで希少価値を持たせる、と言った事例です。他にもすべて100円均一で原価が様々な製品を提供する100円ショップのような戦略もあります。

Place(流通チャネル)

Place(流通チャネル)に関しては、様々な考え方がありますが、例えば製品の流通ルートや販売場所などのことを指します。「広範囲に」「限定的に」「独占的に」「複数チャネルで」などはその一例です。
例えば、広範囲に広く流通させれば沢山売れる可能性は高まりますが、ブランド価値としてはどうでしょうか。どこにでも手に入る製品に高い希少性を感じることは難しいと思われます。また、広く流通させるためには、そのためのチャネルを維持するためのコストがかかります。

このPlaceには、場所という意味もあります。例えば、お店の立地などを考えてみましょう。先日別のコラムで紹介した「WORKMAN Plus」ですが、従来のワークマンのお店はいわゆるロードサイド立地しており、主なターゲットである職人さんが朝立ち寄りやすいように考えられていました。しかし、「WORKMAN Plus」では、ショッピングモールに出店するようになりました。女性やスポーツをする人たちが良くいく場所を意識してのことです。
このように製品を入手できる場所に関しても、ターゲットを強く意識する必要があるのです。

Promotion(プロモーション)

Promotion(プロモーション)は、製品に関わる広告宣伝や販売促進の方法などを検討します。マス広告ホームページSNSキャンペーンなど、プロモーション手法は多岐に亘りますので、これもターゲットにいかに効率よくメッセージを伝えることができるか、という観点で検討する必要があります。

プロモーションには大きく分けると、広告販売促進パブリック・リレーションズ人的販売ダイレクト・マーケティングなどがありますが、前者に近いほど間接的なプロモーションであり「プル型」と呼ばれ、後者に近いほど直接的な販売促進活動となり「プッシュ型」と呼ばれます。インターネットやSNSの普及により、売り込む活動より、お客さん側から企業に近づいてきてもらうプル型のプロモーションが重要になってきています。

スマホが登場する前は、マスメディアとインターネットはそれぞれが競合するプロモーションメディアとして位置付けられていました。しかし、今はそれぞれ共存するメディアとして共棲しつつあります。例えば、TVのCMで「詳しくはWebで!」というメッセージが流れることが多くなっています。これはTVという短時間で強い印象を与えるのに適したメディアを活用して、広く不特定多数の潜在ユーザーに訴えかけ、関心をもった人にはネットを使って詳細を伝える、というやり方です。特に最近はネット系のサービスをTVCMで広く訴求する、という取組が目立つようになっています。
このようにプロモーションもターゲットの適切な方法と内容を吟味することが重要です。

ビーウェル・マネジメントのマーケティング導入支援サービス

上記の通り、マーケティングミックスはマーケティング戦略を考える際にできるだけ幅広い引き出しを持っている程効果的です。

ビーウェル・マネジメントでは、中小企業様専門のマーケティング施策に特化したサービスをご提供しております。的確な戦略の立案から、社内研修・育成まで、コストを抑えて包括的なマーケティング支援であることが最大の特長です。
もしマーケティングに関してお悩みのことがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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