目次
マーケティングの基本フレームワークとして「STP」と「4P」は広く知られています。しかし、これらは一回構築すれば終わりではなく、継続的なサイクルとして回すことで、より効果的な戦略立案が可能になります。
本コラムでは、その重要性と実践のポイントについて解説します。
STPとは？
STP（セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング）は、市場を細分化し、自社が狙うべきターゲットを定め、競争優位性を確立するプロセスです。
市場を正しく把握し、自社の提供価値を明確にすることが目的となります。
（詳しくはこちら）
・セグメンテーション（Segmentation）：市場をニーズや属性ごとに細分化する。
・ターゲティング（Targeting）：細分化した中から自社の強みを活かせる市場を選定する。
・ポジショニング（Positioning）：ターゲット市場において競争優位性を明確にし、消費者に適切なイメージを持たせる。
このプロセスを適切に行うことで、自社の事業によって、どのような市場でどのような価値を提供するのかを明確に定めます。
特に競争が激しい市場では、明確なポジショニングが成功の鍵となります。
4Pとは？
4P（Product、Price、Place、Promotion）は、マーケティング戦略を実行するための具体的な施策を設計するためのフレームワークです。
（詳しくはこちら）
・製品（Product）：顧客ニーズを満たす商品やサービスを企画、商品化する。
・価格（Price）：市場価値と競争環境を考慮し、自社にとっての適正価格を設定する。
・流通（Place）：商品が適切な場所・方法で提供されるようチャネルを設計する。
・プロモーション（Promotion）：広告やPRなどを活用してターゲットユーザーに認知し購買を促す。
例えば、新商品のマーケティングでは、製品の機能やデザインを決めるだけでなく、適切な価格設定や流通戦略、効果的なプロモーション手法を組み合わせることで、成功の確率を高めることができます。
STP→リサーチ→4Pのサイクルを回す重要性
一度STPと4Pを設計したらそれで終わりではありません。市場環境や消費者のニーズは常に変化します。そこで、以下のようなサイクルを回すことが重要です。
STPの見直し
市場環境の変化を把握し、セグメンテーションやターゲットの再設定が必要ではないか検討します。
また、競合の動向を分析し、自社のポジショニングが当初の通り適切か再確認します。さらに消費者の嗜好やトレンドの変化を定期的にチェックし、新たな市場機会がないかを探ります。
リサーチの実施
顧客のニーズや市場が変化していないかを調査します。また、自社商品やサービスに対する評価や販売実績等の情報を収集します。競合の成功事例や失敗事例を分析することも必要です。ソーシャルメディアや口コミなどを活用し、リアルタイムで消費者の声をキャッチすることも有用です。
4Pの改善
陳腐化した商品やサービスの機能・デザインを改良します。また、価格戦略を市場に合わせて見直すことも必要かもしれません。流通構造が変化していればそれを最適化し、より多くの顧客に届ける戦略を実行します。プロモーション施策を最新のトレンドに合わせて調整する必要があるかもしれません。必要に応じてデジタルマーケティングを活用し、より効果的なプロモーションを展開します。
このように、STP→リサーチ→4Pのサイクルを回し続けることで、より精度の高いマーケティング戦略を展開できます。たとえば、競合が新しいプロモーション手法を取り入れた場合、自社のプロモーション戦略も再考し、最適な手法を模索することが求められるでしょう。
まとめ
マーケティング戦略は一度立てたら終わりではなく、環境の変化に応じて適宜見直し、調整していくことが求められます。
STPで市場を分析し、リサーチを通じてデータを収集し、それを基に4Pを最適化する。
このサイクルを回すことで、常に市場に適応したマーケティング戦略を展開し、競争力を維持することができます。
成功する企業は、このサイクルを素早く回し、市場の変化に柔軟に対応する力を持っています。変化の激しい現代において、STPと4Pを連携させながらリサーチを重視し、戦略を進化させ続けることが求められます。
ビーウェル・マネジメントのマーケティング導入支援サービス
外部環境は日々大きく変化します。一度立てた戦略は時間の経過とともに劣化していきます。積極的にリサーチを行って、市場の変化に常にキャッチアップすることが経営者には求められます。
なかなか自社で取り組むことが難しい、という場合にはお気軽にご相談ください。
ビーウェル・マネジメントでは、中小企業様に向けて的確な戦略の立案から、社内研修・育成まで包括的なマーケティング支援を実施しています。
→マーケティング機能導入支援サービス
