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特に関西の中小企業においては、マーケティングという考え方が根付いているとは言い難いものがあります。今回はその理由を中心に考えてみましょう。
下請け事業への依存体質
まず一つ目には、関西の中小企業には歴史的に下請け体質が深く根付いている点が挙げられます。過去関西には大手家電メーカーや大手繊維メーカーなどが多く、それらの企業の下請け業務を行う形で創業された企業が非常に多いことが指摘できます。
元々が大企業の下請けですので、基本的な製品の設計や仕様は親会社の指定するものになります。従って、こちらから積極的にユーザーニーズを把握しなくとも、特に困ることがなく、先方から必要な情報が送られてきたと言えます。
その結果として、発注先への依存気質が強く形成されることになります。
しかし、近年はそういった大手企業が合従連衡で消失してしまったり、彼らが安値を求めて海外に発注するようになってしまいました。
残された下請け企業は必至に新規の顧客や事業を考えなければなりませんが、そもそもマーケティングという概念を持ち合わせていないため、何をどうすれば良いのか、わからないまま手探りで進むしかないということになりがちです。
シーズ先行のモノづくり体質
「シーズ」とは、種という意味であり、作り手側の持ち合わせているリソース、つまり技術やノウハウなどを指します。
初代の中小企業の社長さんには技術屋上がりの人が多くいらっしゃいます。自分の持ち合わせている技術やアイデアで作りたいもの、作れるもの、売れ「そう」なものを作った結果、それが「たまたま」売れて事業が大きくなったタイプの創業者さんのケースです。
そもそも「ニーズ」ではなく「シーズ」に基づいて製品を作った場合でも、それがたまたま市場に受け入れられることもあります。特に以前のように順調に経済成長が果たされているようなタイミングでは、良く見られたケースと言えます。
しかし、昨今のように市場にモノが溢れている時代においては、提供者側の一方的な思いだけでは、市場に受け入れられる可能性は著しく低下してしまいます。そのため、やはり顧客ニーズをしっかり把握することが必要になってきます。
知識、ノウハウの不足
中小企業においては、そもそもマーケティングが正しく理解されていないことが多く、そのため自ずとノウハウに関しても乏しくならざるを得ません。
理由の一つに、マーケティングという言葉に含まれる概念が広すぎて、マーケティングとは一体何を意味するのか、良く理解できないという人も多いと思われます。
マーケティングとして良く想起されるものとして、マーケティングリサーチや広告・宣伝、今ではSNS活用などが代表的なものと思われますが、実際にはこれらはマーケティング活動のごく一部でしかなく、その概念の広さがむしろ逆に分かりにくさに繋がっているのではないでしょうか。
(そもそもマーケティングとは?参照)
人材、リソースの不足
仮にマーケティングを経営に取り入れたくても、そもそも中小企業においては何か新しいことに取組むための、人材や経営資源などに十分な余裕がないことが大半です。
例えば経営者がマーケティングに基づいた戦略策定の取り組みたいと思っても、それを任せる、あるいは一緒に取り組んでくれる人材がいないことが多くなります。
そもそもマーケティングに取り組むためには、自社の顧客をしっかり把握することが重要になりますが、そのために必要なリサーチやデータ分析を任せられる人材となると、益々社内に存在しないというのが実態と思われます。
中小企業にこそマーケティングが必要
ここまで見てきたように、中小企業にとっては簡単にマーケティングと言っても、取り組むハードルは高いのが実際のところです。
しかし、考えてみてください。中小企業においては、何か新しいことを始めるにも、常にリスクが伴います。
上述のように、中小企業には様々な制約があり、リソースにも余裕がありません。新規事業の失敗はそのまま損失につながることになり得るのです。
ですので、逆にしっかりマーケティングの手順を学び、その手順を踏んで事業を始めたり、進めたりするべきなのです。
マーケティングの知識の伴わない経営は、常にリスクにさらされ続けるのです。
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