中小企業のSNSやホームページを見ていると、ひたすら自社製品の写真をアップし、その機能、仕様、特長のみを長々とPRしている例が見られます。
しかし、それでは顧客の購買意欲にはなかなか結び付きません。何故なら、その製品やサービスを購入した際に、どのように自分の生活が変わるのかが具体的にイメージできないためです。そんな時に是非活用してほしいのがベネフィット話法と言われるものです。
ベネフィット話法とは
ベネフィット話法とは、顧客に伝えるメッセージの中で「商品やサービスの特徴(機能)」ではなく、それを使うことで顧客が得られる「便益(ベネフィット)」を強調する話し方のことです。
ベネフィット話法は顧客にとっての価値を具体的に示すことで、より納得感を高め、行動を促す効果があります。この話法はマーケティング以外にも、営業やプレゼンテーションなど、相手を説得する場面で広く活用されています。
ベネフィット話法のポイント
・顧客の立場に立つ
ベネフィットを伝えるためには、顧客が何を求めているのかを理解することが最も重要です。単なる機能や特徴の説明ではなく、相手の課題やニーズにどのように応えられるかを考えます。
・ベネフィットを具体化する
抽象的な表現ではなく、できる限り具体的なイメージで表現するようにします。数字やエピソードを使うことで、相手にとっての価値がより明確になります。
・機能と利益を結びつける
特徴(機能)を伝える際は、それがどのように顧客に利益をもたらすのかをセットで説明します。これにより、商品やサービスの魅力が伝わりやすくなります。
ベネフィット話法の具体例
掃除機の場合
・特徴の説明(一般的な話法)
「この掃除機は吸引力が強く、フィルターの性能も優れています。」
・ベネフィット話法
「この掃除機は吸引力が強いため、カーペットの奥に入り込んだホコリやペットの毛もしっかり取り除けます。その結果、掃除の時間が短縮でき、家族全員がいつも清潔な空間で過ごせます。」
ビジネスソフトの場合
・特徴の説明(一般的な話法)
「このソフトはタスク管理機能が充実しており、データの共有も簡単にできます。」
・ベネフィット話法
「このソフトを使えば、タスクの進捗状況が一目で把握でき、チーム全員がスムーズに情報を共有できるので、プロジェクトの遅延を防ぎ、成果を最短で達成できます。」
フィットネスジムの場合
・特徴の説明(一般的な話法)
「当ジムは最新のトレーニング機器を完備し、トレーナーも多数在籍しています。」
・ベネフィット話法
「当ジムでは、最新のトレーニング機器と専門のトレーナーによるサポートを受けられるため、効率的に理想の体型を手に入れることができます。忙しい方でも、短時間で確実に成果を感じられます。」
ベネフィット話法の効果
ベネフィット話法を用いると、顧客は「自分にどのような価値があるのか」を具体的にイメージできます。その結果、以下のような効果が期待できると言えるでしょう。
・説得力の向上: 相手のニーズに直結する内容を伝えるため、納得感が高まります。
・感情への訴求: 感情に響くメッセージとなり、行動を促しやすくなります。
・競合との差別化: 単なる機能や価格の比較ではなく、価値を強調することで他社との差別化が可能です。
まとめ
このようにベネフィット話法は、顧客のニーズや課題に焦点を当て、具体的な利益を示す話し方です。特徴の説明だけでは伝わりにくい価値を明確にし、説得力を高めることができます。
営業やプレゼン、日常のコミュニケーションでも応用できるので、SNSやHPに限らず、顧客向けのプレゼン資料やチラシやカタログ、パンフレット等においてもぜひ活用するようにしましょう。
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