マーケティング戦略立案における内部環境分析とは

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マーケティング戦略を立案するプロセスの中には環境分析という段階があります。そして環境分析には社外に関する分析である「外部環境分析」と自社の内部に関する分析の「内部環境分析」の二つがあります(詳しくは「マーケティング戦略の立て方」を参照)。

今回はそのうちの内部環境分析とは具体的にはどのようなことを行えば良いのかについてお話します。

強みと弱みの洗い出し

内部環境分析で行いたいことは、自社の「強み」と「弱み」を洗い出すことです。「強み」は自社が他社に対して勝っている点、顧客に特に評価してもらっている点などのことであり、そこを積極的に活かすことによって事業の拡大につなげていこうとするポイントのことです。
逆に「弱み」は他社に劣っている点、顧客から改善を求められている点などのことです。今後の改善ポイントとして正しく認識しておくことが必要になります。

この際に注意が必要なのが客観性です。自社では強みと思っていることでも、実はそれほど強みになっていない場合があります。この点では、顧客の評価を聞くことは非常に有意義な行為ということができます。顧客満足度調査などでこういった情報を取得することができます。

さらに気を付けたいポイントとしては、競合の設定を間違わないことです。正しい競合との比較によって強み、弱みを把握することが重要です。

例えば、とあるそば屋さんが自社の強みを「価格の安さ」に設定したとしましょう。その際に比較した競合はどこでしょうか。恐らく近所の中華料理店、ファミレスなどの飲食店でしょう。しかし、お客さんからすれば、おそば屋さんとコンビニのお弁当や近隣のスーパーのお惣菜と比較しているかもしれません。コンビニやスーパーの総菜相手には価格の安さは「強み」とは言えなさそうです。

このように市場環境を正しく把握して、正しく競合を設定しないと、「強み」が逆に弱みになってしまうこともあるので、注意が必要です。

どのような切り口で検討するのか

さて、自社の「強み」と「弱み」を洗い出すにしても、いざ実行しようとすると、どこから手を付ければいいのか困ってしまいます。
もちろんブレインストーミングなどのように、ランダムに思いついたものをそのまま出していっても良いのですが、何となく非効率な気がします。また、抜け漏れがありそうに感じます。
この際に必要なのが検討の切り口です。ここでは、この「切り口」をいくつか提案してみたいと思います。

経営資源から

ヒト、モノ、カネ、情報、時間、知的財産などの企業が保有する経営資源とされるものから整理していく方法です。比較的ざっくりした整理方法になります。昔から企業の経営資源として言われる、ヒト、モノ、カネに加えて、最近は情報が基本的な資源として挙げられます。加えて時間、特許などの知的財産なども加味することが望ましいでしょう。

ヒトを強みと言う経営者は多いと思います。「うちは人材が優秀だから・・・」というのは良く聞くセリフです。本当にそうでしょうか。また、本当にそうだとしても、できれば客観性が欲しいところです。例えば有資格者が何人いるとか、こうした教育を実施しているとか、などです。単に「社員が優秀」というだけでは、対外的に訴求することも難しいと言えます。

カネに関しては定量的なものなので比較的客観性がありますが、何の金額を強みととらえるかは千差万別です。代表的なものとしては企業の財務的な数値が挙げられます。モノに関しても様々です。保有する設備や商品そのもの、営業拠点なども対象となるでしょう。
情報は昨今特に重要な資源と言えますが、インターネットの普及で情報が手に入りやすくなった分、一次情報、つまり生の情報がより重要性を増しています。時間ではどのようなことが考えられるでしょうか。例えば対応のスピード、企業の歴史などが代表的です。最近は中国製品の台頭で知財に関しても注目が必要になります。
いずれにせよ、やはりこの切り口だけではちょっと整理が難しいかもしれません。

マーケティングの4Pから

言わずと知れたProduct(製品)、Price(価格)、Place(場所、チャネル)、Promotion(販売促進)で整理する方法です。これは特にマーケティングの側面に絞った整理方法になりますが、総じてイメージしやすい方法と言えます。

特に企業規模が大きくなると、上述のような会社全体の資源を比較することにあまり意味がなくなってきますので、単体事業では有効な切り口となってきます。これらに加えて「ブランド力」なども含めて検討してはどうでしょうか。
例えば、製品に競争力がある、低価格で他社に抜きんでている、強力な販売パートナーがいる、大規模なプロモーションで知名度がある、などが考えられるでしょう。

バリューチェーンから

バリューチェーンとは、マイケル・E・ポーターが提案した企業活動の一連の流れを示した考え方です。事業活動を大きく「主活動」と「支援活動」の2つに分類し、これらに対し、「利益(マージン)」を紐づけてフレームワークに落とし込む考え方です。

「主活動」とは、ビジネスにおける生産から消費までの流れに関わる活動のことで、生産から消費までの流れに直接関わらない活動を「支援活動」として、主活動をサポートする活動として説明されます。よく挙げられるセクションとしては、「人事・労務管理」「技術開発」「調達」などです。

まず主活動では、「購買物流」、「製造」、「出荷物流」、「販売・マーケティング」、「サービス」などに、支援活動に関しては、「調達」、「技術開発」、「人事・労務管理」、「IT」などに整理することができます。自社のどのプロセスが自社の強みの源泉になっているか、整理することが可能になります。

また、最初に挙げた経営資源とクロスすることでより具体的な検討が可能になります。例えば「製造」プロセスに強みがあるとして、ヒトに強みがあるのか、設備(モノ)に強みがあるのか、等にブレイクダウンすることで、より具体的な強みを上げることが可能になります。

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このように内部環境を分析するだけでも、方法は色々考えることが必要になりますが、ビーウェル・マネジメントでは、そういったお手伝いも行っていますのでお気軽にご相談ください。

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